director's voice

李慶子さん(ガラス)

Q
大阪でガラス工房を開く李慶子さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
“透明なガラス”
ガラスを始めてずっとそれだけをつくっているので、今展も同様です。
秋の夜長を楽しむための、お酒にまつわる器は豊富にと考えています。
そして、秋の植物を楽しんでいただくための、花器も沢山出展します。

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Q
李さんとって「工房からの風」どんな風でしょうか?

A
自身の工房を持って、13年目の今年。
がむしゃらにやってきましたが、
今までも色んな風にのったり、立ち向かったりしてきて、
今の自分があると思います。

今年の秋に体験するこの風は、それでも初体験の風。
少し緊張がはしります。
でも、ふんわりのって、色んなものをみたり、感じたりできる風になれば、と。

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Q
あなたが子供のころ、初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。

A
ランチョンマット、お弁当包み、コップ入れ、の3点セット
確か、小学校6年生の夏休みの自由課題か何かでつくりました。

母からわけてもらった黄色の生地と白のレース。
その頃の私はピエロに凝っていて、刺繍の本で見つけたピエロを2パターン
それぞれに刺繍し、黄色い生地2枚の間にレースを挟みこみミシンで縫い上げました。
丸底で巾着のコップ入れは、ミシンがけの時に苦労した記憶があります。
母に随分アドバイスしてもらったけれど、作業はほとんど自分でやり
母にも先生にも随分褒められ、嬉しかったのを覚えています。

その後、中学、高校、とずっとお弁当を持っていくのに使っていました。
何度洗濯してもほころびたりしていないので、刺繍・縫製とも
丁寧な仕事だったんだなぁ、と今見ると思います。
すっかり色あせていますが、今でも引き出しの中にあります。

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今回の全出展者の中でも、李さんはベテラン、実力作家です。
透明のガラスは撮影がとても難しく、私もなかなかうまくご紹介できないのですが、
実際に見て、手に取ってみると、宙吹きガラスならではの美しさにしみじみします。

ぽってりとしていたり、ふんわりとした形なのですが、
きっちりと造形できる人のぽってりだったり、ふんわりだったりするので、
その美しさが違うのです。
たとえば、きっちりデッサンができる人が、デフォルメして描いたもののような。

ゆるりユニークな造形は、ともすれば飽きが来やすかったりもしますが、
李さんのゆるりユニークな造形は、使うほどにいいなぁ~と思うのでした。
(と、これは愛用者の私の個人的な実感なのですが)

大きなものから、小さなものまで、バリエーション豊かな作品構成となることと思います。
李さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道と花壇の間の緑の空間。
ガラスと緑と光のハーモニー。
ゆっくりお楽しみいただけますように!